詩集

□《詩集A》
3ページ/23ページ


『陽炎』(カゲロウ)


夢と夢との泣き別れ
永遠に堕ちたる
宝舟

狭間の桜
折りし枝

花櫛にせん
長の濡れ髪


底の底とて底は無く
眩暈覚えて
心の殺め


暗の長夜の月雫
霧雨、細雪(ササメ)
夢の陽炎

陽炎でしか
見る術も無く


桜の花櫛
無為の影踏み
闇の中では
見る影も無く




_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ