詩集
□《詩集A》
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『夏の幻』
薄墨の陽光が
頭の中を焦げ付かせ
遠い日の幻を
瞳の中に写し出す
遥かな空
狭くとも広大だった世界
鼓動早く駆けていた時間
それは永遠に近い一日
それは遠い日の幻
それが何故に今
胸を酷く締め付けるのか
哀しい事があるたびに
大声で泣いていた
「僕は哀しいんだ」って
心から訴えていた
今の私にそれが出来る?
自分で選んだ答えだから
前を見て進めば良い
だけどね
今日みたいな暑い日に
薄墨の陽光が射す時には
遠い日の幻に囚われるのも悪くは無いと
そう思えるんです
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