詩集

□《詩集B》
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『惑乱』


桜の下に立つ君は
とても綺麗で透明で

まるで幻を見ている気がして
我が目を疑う

薄紅の花籠の中
目を閉じ笑う

その危うさはまるで
桜吹雪と共に
消えて失くなってしまう様


喉奥からは
美しく響く声が
高く澄み渡り

私を遠く硬直させる


掴めない
その存在が
瞳に焼き付き

私はただ惑乱する



桜の下に君は立ち
目を閉じ笑う



私はただ

惑乱するだけ




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