詩集

□《詩集C》
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『緋衣』(ヒイ)


緋色の桜でした

僕と出合うまでは

緋色の桜でした

真っ白に色付いた

僕の心を食べるまでは

緋色の桜でした


惹かれ過ぎた故に

色が流され

白く染まった僕の心を

桜は食べた


緋色の桜は

もういない


薄紅色の桜
  アケ
昔は緋に染まった桜でした

血の様な

緋色の桜でした



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