詩集
□《詩集D》
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『華茶酒肴の理由』
華を一輪
摘み取る事に
理由など聞かないで
聞いてどうしようと云うのか
そっと実行させて頂戴
茶を一杯
差し出す気遣いや嬉し
ぐいと傾け熱すぎの
気の利かなさに沈黙
割りが合うなら相殺
酒を一献
所望しても許されるだろう
焼け付きそうな頭の中
幻覚剤を投与するだけ
それだけで悪態は影を潜める
双方都合がよろしかろう
肴一膳
食卓並べ差し向かい
互いの腹も満たされる
違いの腹も落ち着こう
理由など些細な事
華を一輪飾らせて貰えるかな
理由など聞かないで
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