恋
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今夜はパーティーでの演奏の仕事が入っていた。
会場は盛り上がっていた。
私の出番は途中40分程度。
マネージャーから声をかけられる。
「嵐のメンバーが来てるんだけどなにか弾ける?」
「はい」
メンバーと言っても誰が来ているのかは知らされなかった。
翔くん来てるのかな。
美香に貰ったCDのおかげで少しだけ嵐の曲に詳しくなった。
聞いてみると馴染みのある曲ばかりで
特に『Beautifuldays』は間奏のピアノのメロディが素敵だった。
楽譜を買ってその日のうちに覚えたほどだ。
パーティーの仕事が終わってから美香と合流した。
翔くんがうちに来た話はメールでしていたけど美香の興奮はマックスだった。
「ゆき!ホントすごい事なんだよ?わかってる?」
「うん」
「信じられない、そのテンションの低さ。私だったら舞い上がって眠れないよ!」
携帯がなる。
「あ、メール。翔くんから」
「きゃ〜!噂をすれば!で、なんて?」
―お疲れ様。さっきパーティーでピアノ弾いてたでしょ?俺いたんだよ。演奏ステキでした。ゆきちゃんの手料理また食べたいのでよろしく!―
―おつかれさまです。嵐のメンバーが来てるって言われたんだけど翔くんだったんだね。またいつでもどうぞ―
「羨ましすぎる!」
美香は興奮しっぱなしだった。
「もしかしてゆきに気があるんじゃないの?」
「そんなわけないでしょ」
「わかんないよ〜。大体ゆきは鈍感だからね」
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