AIR
□page8
1ページ/3ページ
笑顔を見せるキミ。
でもその唇は紫色で体は小刻みに震えていた。
「なんか…ごめんね」
そう呟く僕に
「人生初めての釣りだよ。そんなにうまくいかないよ」
笑ってそう言ってくれた。
気の利いたことも言えない、なんにもできない僕にキミは「ありがとう」と言ってくれた。
僕は上着の袖を片方だけ脱ぎ、抱きしめるように震える肩にかけた。
「あったかい」
そう微笑んでくれるキミに言わずにはいられなかった。
「ゆきちゃん」
「ん?」
「好きだよ」
.
→
次へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ