AIR
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『出逢いはいくつあってもいい』
言われるがまま、やってきた。
「はじめまして」
「どうも」
目の前でニッコリと微笑む女の子は一言でいえば『綺麗に着飾ったお人形さん』だった。
服とか、髪型とか、あんなに決め込んで大変だったろうなぁ。
「大野さんは釣りがお好きなんですよね?」
「あ〜。釣り竿が相棒みたいなもんです」
「私もやってみたいな」
「釣りはいいですよ〜。オススメです」
「…」
あー、つまらない。
早くこの場から逃げ出したい。
つくづく思う。
こういう設定…テレビドラマのような感じ
向いてないって。
大体、自分がテレビに映る側にいること自体未だに信じられないのに。
窮地の僕に救いの手を差し伸べてくれたのは
キミだった。
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