素直に
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ヤバイ。
俺の発した一言でゆきちゃんは黙ってしまった。
「あのさ…別に怒ってるとかじゃないから」
ゆきちゃんはちょっと不安そうな顔をして俺を見あげた。
「その…優しいとか、褒めらるのって苦手なんだよね」
「そうなんだ…じゃなくて、そうなんですね」
「いいよ、敬語じゃなくて」
「でも…」
「って言っても現場じゃ無理か」
ゆきちゃんは「はい」と苦笑いした。
「じゃあ、またこういう機会があったらそうしてよ」
暗くて気づかれてないと思うけど
多分、俺の顔は赤くなってた。
その道のりは30分くらいだったと思う。
でもあまりにも早くて、車で送らなくてよかったと思った。
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