蹴球

□くだらないとは思わないか?
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「君さー、力を手に入れて満足?」

急に慣れ慣れしく話しかけてきた彼女。
何でも、研崎の娘だとか。

「・・・満足、だ。」
「ふーん、君ってくだらないんだね」

お前も胸にエイリア石を着けているくせに。
そう言うと、彼女は急に悲しそうな顔をした。

「あたし、ビョウキなんだ。」
「病気・・・?」
「そう、ビョウキ。あたしはエイリア石に頼らないと、とてもじゃないけど生きていけないんだ。」
「生きて、いけない・・・」
「父さんはあたしのために、エイリア石を溜めてくれているんだよ」
「・・・」
「くだらないとは思わない?人間いつか死ぬのに。死期を遅くするために罪を犯すなんて。」

何となくだが、彼女に興味がわいた。

「名前は?」
「・・・戯優。」
「戯優。・・・俺達と、少し遊ばないか?」
「遊ぶ?いいね、あたし遊ぶのだあいすき!」
「そうか、じゃあ堕ちて来いよ。俺達と同じところまで」
「いいよ、あたし君に惚れちゃったみたいだから」
「そうか、偶然だな。俺もだ」

そう言って、俺は戯優を抱きしめた。

くだらないとは思わないか?

「(戯優のためにもっと力を手に入れる)」
「(俺ってなんてくだらないんだろう)」
 

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