蹴球

□嘘つきエルフ
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キライキライキライ。

弱い自分が大嫌い。虐められてる自分も大嫌い。



・・・力が欲しい!




「俺達と一緒に来ない?」
「・・・おれ、たち?」

いつものように虐められて、ズタボロの私の前に現れたのは、
今あちこちで噂されてるエイリアのキャプテンだった。
そういえば私の学校の隣にある高校、この前エイリアに壊されたんだっけ。
高校生にも虐められてたから、ありがたいと言えばありがたかったなあ。

「どうして、私なんか」
「・・・君が力を欲しがってた、じゃ駄目かい?」
「そうね、それでいいわ。理由なんて」

そう言うと、彼は私の胸倉を思い切り掴んで、
錠剤より少し大きいくらいの紫色の石を無理やり飲ませた。

「・・・げほっ、ごほっ!!」
「吐いちゃ駄目」

気持ち悪い、変な感じがする。
くらくら・・・する・・・

「水無月薩奈は今日で死んだ。君は今日からジルフェだよ」
「・・・はい、グラン様ぁ・・・・」

とろんとした瞳、甘い声。
そして薩奈は、猫のようにグランに擦り寄った。

「ようやく手に入れた。君は俺だけのものだよね?」
「薩奈・・・いえ、ジルフェはグラン様だけのものです・・・」
「じゃあジルフェ。これから君の母校を壊しに行くけど、いいよね?」
「ジルフェ、グラン様しか必要じゃないです。学校なんか、いらないです。」
「そうか。じゃあ行くよ」
「・・・はいっ!」

嘘つきエルフ

「(これで痛みから君は救われたよね)」
「(俺も痛みから救われたよ)」





グランが偽者。
 

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