戦の扉

□似たもの同士
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おかみさんと旦那さんが作ってくれる団子を食べながら、幸村と煌凛は幸せそうな表情を見せていた。

「本当においしいですね」
「いろいろな団子を食べたが、ココが一番美味かったのだ」
「真にございますか?凄いですね、幸村様」

いったいどれだけの店を回ったのだろうか。
それがとても気になるが、今は聞かないでおく事にした。





遠くから見ていた佐助とおかみさんは、2人のじれったさに半ばイライラしていた。

「俺様動こっかな」
「幸村様か煌凛様がご自分で動かなければなりませんよ!」

おかみさんは、完全に2人で楽しんでいる。
溜息をつき主と煌凛を見る。
2人がうまくいく事を願いなら。










「幸村様は、何方か姫君を娶られないのですか?」
「め、めめめめめ娶るなど!!/////」
「ですが、そろそろ真田家の跡継ぎを作っていただけなければなりませんよ」

真剣な顔で言ってくるので、幸村もタジタジになってしまう。

だが、ふと思った。
娶る者は、別に姫でなくともよいのではないか。

チラッと煌凛を見る。
空を優しい目で見ている横顔がとても優しい。
胸の内が熱くなってくる。

「・・・煌凛殿」
「どうなさいましたか?」
「煌凛殿は、婚約者がいたりするのか?/////」

何かの参考にしたくて聞いたのだと勘違いした煌凛は

“いません”

と答えた。
すると、周りに誰もいないのを確認して、煌凛を抱きしめた。

「ゆ、ゆゆ幸村様Σ!!?////」
「そ、某は・・・煌凛殿がよいでござる!娶るのなら・・・煌凛殿が・・・////」

突然告白され、煌凛は真っ白になってしまう。
だが、真っ白になって気付いた。

“自分も幸村が好きなのではないか”

と・・・
幸村といると、嬉しくて、胸がドキドキする。
それが何か分かっていなかったので、緊張しているだけどと思い込んでいた。

「わ、私などで・・・よろしいのですか?私は、武将として幸村様に「煌凛殿でなければ、嫌だ」

抱きしめる力を強くする。
少々息苦しいが、それだけ想ってくれていると思えば苦しくは無い。

「わ、私などでよろしいのでしたら・・・/////」
「本心、か?」
「・・・はい////」
「煌凛殿」

何をされるのだろうと体を強張らせていると、幻聴だろうか

プシュー

という音が聞こえた。
まさかと思い幸村を見ると、頑張りすぎたのかユデダコ状態になっていた。

「キャー!幸村様Σ!!」
「頑張ったね〜旦那」
「さ、猿飛殿!早く幸村様を・・・」
「はいはい。奥方に頼まれちゃ、断れないしね♪」

半分からかいながら、半分本気で言って上田城に戻る。
“奥方”と言われ、煌凛は腰が抜けてしまった。

「幸村様、大丈夫かな・・・?」

家臣故か、心配なのは自分より幸村。
そんな煌凛を見て、おかみさんは苦笑するのだった。





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