戦の扉

□似たもの同士
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上田城に戻り、すぐさま幸村の部屋に向かう。
中に入ると、扇子で扇がれている幸村の姿があった。

「幸村様、大丈夫にございますか?」
「まだ意識が戻ってないから、煌凛ちゃんが介抱してあげて」
「はい。ありがとうございます」

佐助にお辞儀をすると、照れくさそうに頬をかいて天井裏に行った。
暫く扇いでいると、漸く幸村が目を覚ました。

「煌凛殿・・・某は」
「女子が苦手なのに、ご無理をなさるからですよ」
「すまぬ・・・(泣)」

シュンと項垂れる幸村が可愛くて、今度は思わず抱きしめてしまう。

「煌凛殿Σ!!!」
「徐々に慣れていけばよろしいです。私は、幸村様と普通に接する事ができるのを待っておりますから」

優しく頭を撫でられ、段々眠くなったきた。

瞼が重い。
体の力が抜けていく。
それを感じながら、幸村は寝てしまった。

「・・・どんなに時がかかろうとも、待っております」

煌凛の呟きに反応するが如く、幸村は服の裾をギュッと握ってきた。
その表情は、今まで煌凛が見たこと無い程


幸せそうだった





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