戦の扉

□紅に染まるきみ
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そのままはさみで政宗を斬ろうとする。
だが手首を思いっきり手刀で叩く。
その痛さではさみから手を離す。
落ちたはさみを足で蹴り、遠くに飛ばす。

「あーっっ!!」
「何でこんなことした」

スカートをめくり、血だらけになっている太股を見る。
心配している政宗とは正反対に、煌凛は悔しそうに顔を歪めていた。

逃げたいのに、力が強過ぎて敵わない。
諦めて下を向く。



数拍間を置いて、政宗は傷口に触れる。
ビクッと体が動いたが、何故か抵抗しようとしない。

「何時からだ」
「・・・・中1」

そんな前から斬っていたと考えると、背筋が凍る。
言いたい事が何万とある。
その全てを飲み込んで、核心のみを聞く。

「何でこんなことする」

答える気は無いのか、それとも答えられないのか・・・
唇をギュッと閉じるだけ。

辛抱強く待とうかと思ったが、このままでは一向に話し出さない。
仕方が無いので煌凛を座らせてその前に座る。
未だに煌凛は唇をギュッと閉じている。

「煌凛、Do you want to die?(死にたいのか?)」
もう、何も分からない・・・

本当に消えてしまいそうなか細い声で、漸く口を開く。
話してくれたのは嬉しいが、どう返せばいいか分からない。
視線を外して悩んでいると、煌凛の血に濡れた指先が政宗の頬に触れる。

「煌凛・・・・」
「中学の、時は・・・政宗、以外。消えて欲しかった・・・」

目に涙を溜めて語りだす。










己の胸の内を・・・・










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