□悲しい笑顔
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ここはどこだろう?

テレビを見ていたら
急に大量の手がでてきて
テレビの中に吸い込まれた


「まさかまた……」


あれから二ヶ月がたっていた

また退屈な時間が戻っていた

でも違ったのは
仲間ができたことだった

そして
相棒という名の恋人



『よぉ、久しぶりだな。俺』

「お前……」


目の前に現れたのは
もう一人の俺(シャドウ)だった


『どうだ?退屈な日々に戻った感想は?』

「なにが言いたいんだ」

『そんな怖い顔すんなよ。俺』


シャドウは俺を嘲笑っていた


『俺はもうお前じゃなくなったんだから』

「………どういうことだ」

『シャドウにも意思はあるってことだ』

「!……っ!」

『なぁ…………あんなやつ止めて俺にしろよ』

「な、何言って」


急にテレビに連れ込まれたうえに
俺が俺に?
そんなに俺はナルシストじゃないし
逆にこんな俺なんて嫌いなわけで


『俺はお前だけど、お前じゃないんだぜ?』


意味がわからない


『ずっとここに俺のとこにいろよ……もう悲しい思いさせないから』


悲しい?俺が?


『大丈夫だ』


なぜか急に頬に冷たいものが流れた
俺はあいつと離れてから
連絡をとっていたが最近になってから
返事が来なくなった

それから俺はまた一人になってしまった


でも


「俺はここに居ちゃだめなんだ。あいつを信じてる」

『……わかった……悲しくなったら会いに来いよ………じゃあな』



最後に見せたシャドウの笑みは
悲しい笑みだった


 

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