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□あの人ができないことを
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「ねぇねぇ」


「んー?」


「君は誰か会いたいけど会えない人とかいないのー?」


「なぁにロード、また悲しい話読んでほしいの?教育衛生上よろしくないよ」


「聞いただけだよぉ。ねぇいないのー?」


「うーん……会いたい人はいるんだけど、死んじゃったなぁ」


「呼べばいいじゃない、千年公が会わせてくれるよ」


「そんな事できないよ」


「できるよ、千年公なら簡単だよ」


「できたとしても、生き返らせるなんてしたくない」


「その人は生き返りたいかもしれないよ」


「そんなはずない、彼は自殺したんだ」


「…えー」


「死にたいから死んだ人を生き返らせるなんて、殺人より酷い事だろうね」


「…会えるのに」


「彼にはもう会えないよ」


「会いたいのに?」


「うん、だから俺は長生きして、生まれ変わってくる彼を待つんだ」


「見た目も性別も性格も変わってるよ。わからないよ」


「わかるよ、俺は彼を愛してるんだ、わからないはずがないよ」


「その人は君を忘れているのに」


「それこそわからないよ、君達のような存在がいるんだから、前世の記憶を持っている奇跡だってあるさ」


「…うーん」


「千年伯爵でもできないことはある。あの人はあの人以外の考えてることは分からないだろ?ワイズじゃあるまいし」


「千年公にできないことなんて考えたことないし…」


「たとえば、この間あの人に入れてもらった紅茶は甘すぎて飲めたものじゃなかった。伯爵は激甘の紅茶しか入れられない」















僕は肯定するしかなかった



















あの人にできないことを
考えてみる



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深い意味はないです。私が入れるミルクティーも激甘です。


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