Horimiya


□Good morning, Good night
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静かな井浦の家で、


朝からずっと考えていたことを唐突に口に出してみた









「井浦くん」

「はい」

「心理テストです」

「うん」

「この世に俺がいないとします」

「え、嫌だ!」

「そうだね。では、あなたはどうしますか?」

「何気なく告白したのにスルーされた…」

「で?」

「え、待って、どうしますかってどうしたらいいの」

「1、一生かけてどうにか俺を作る。2、俺を想像する。3、死ぬ」

「なに最後の選択肢!!」

「さぁどれ」

「んー、やっぱ1かな」

「井浦くんは一生かけて俺を作ることを選びました」

「はい」

「じゃあ俺は、俺を一生かけて作って死んだお前をまた一生かけて作るね」

「え、答えは?」

「それで、俺が一生かけて作ったお前は一生またかけて俺をつくってね」

「田中?」

「そうやって、2人が言葉を交わすことも手を繋ぐこともなく、一生を繰り返すんだ」

「なになに、どうしちゃったの田中」

「どうもしてないよ、ちょっと深く考えただけ」

「…でもそれって、悲しくない?」

「わかんない。でも死ぬ時は、幸せでいっぱいなんだろうね」

「…そりゃあ、やっと逢えたからな」

「嬉しすぎて心臓止まっちゃったんだろうね」

「だったら、確かに当人たちにとっては悲しい事じゃないかもしれないな」

「あーもう、難しいこと考えてたら甘いもの欲しくなってきた。甘味料くれ甘味料」

「甘味料って、砂糖溶かして飲むの?」

「糖尿病で殺す気かよ…普通にチョコとかねーの」

「家のチョコはみんな基子が食べちゃった」

「基子ちゃああああああん!!」

「人んちで大声出すなよー」

「お前にだけは言われたくないわ」












ループする









一生の絶望



一瞬の幸せ








しかしその一瞬が何よりも大きかった


2人は何度も出逢い、絶望する













ああ、今度も一緒にいれなかった








2人同時に幸せになることはなかった





















おはよう、おやすみ
(俺が起きた瞬間、あなたは眠る)
(所詮たとえばの話だけれど



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