お題企画
□02.浴衣 橘千鶴
1ページ/1ページ
「おなごじゃ!浴衣だらけじゃ!夏祭り万歳!!」
「下心しかないのかお前は」
「だって回り見ろよお前…!ホラあの女の子!
浴衣といえばうなじ…チラッと見える足首…りんご飴で赤くなった唇…!フゥゥゥウ!」
「ちょ、くっつくなよ橘!暑い!」
「つれないこと言うなよー!夏祭り特有のさ!光によって女の子もよりいっそう綺麗に見えるだろー!」
「はー?いつもとかわんねーよ」
「田中はほんっとにアレだよなー!!」
「うっせ!あっこら走んなお前迷子なるだろ!」
「お前は俺のカーチャンかよ!あそこ空いてる!」
「まだ食うのかよー俺さっきの水あめで胸いっぱいなんだけど」
「腹じゃなくて胸なの?思い出がいっぱいなの?」
「胸やけ的な意味で」
「えー!もう、どーする田中、休憩する?」
「んー。…なぁ橘、お前…」
「なにー?」
「……やっぱなんでもないわ」
「えーなんだよー!もしかして綺麗な子でもいた!?」
「あーいたいた」
「どこどこどこどこ!!!!」
「それよりさあ、お前いっつも髪下ろしてたらいいのに」
「えー」
いつも目に優しくない金髪が、夏祭りではこんなに優しく光るなんて知らなかった
キレイだと思った
「ちづる」
02.浴衣