お題企画

□02.浴衣 橘千鶴
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「おなごじゃ!浴衣だらけじゃ!夏祭り万歳!!」

「下心しかないのかお前は」

「だって回り見ろよお前…!ホラあの女の子!
 浴衣といえばうなじ…チラッと見える足首…りんご飴で赤くなった唇…!フゥゥゥウ!」

「ちょ、くっつくなよ橘!暑い!」

「つれないこと言うなよー!夏祭り特有のさ!光によって女の子もよりいっそう綺麗に見えるだろー!」

「はー?いつもとかわんねーよ」

「田中はほんっとにアレだよなー!!」

「うっせ!あっこら走んなお前迷子なるだろ!」

「お前は俺のカーチャンかよ!あそこ空いてる!」

「まだ食うのかよー俺さっきの水あめで胸いっぱいなんだけど」

「腹じゃなくて胸なの?思い出がいっぱいなの?」

「胸やけ的な意味で」

「えー!もう、どーする田中、休憩する?」

「んー。…なぁ橘、お前…」

「なにー?」

「……やっぱなんでもないわ」

「えーなんだよー!もしかして綺麗な子でもいた!?」

「あーいたいた」

「どこどこどこどこ!!!!」

「それよりさあ、お前いっつも髪下ろしてたらいいのに」

「えー」


いつも目に優しくない金髪が、夏祭りではこんなに優しく光るなんて知らなかった

キレイだと思った



「ちづる」

















02.浴衣

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