宝箱

□やってやられて
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最近光の様子がおかしい。

俺を最後に抱いてから2ヶ月弱経つんやけどそれから一度も抱いてくれへん。


避けられたりはないんやけど…まあ今日俺ん家来るみたいやし?


そろそろ溜まらんのやろか。光はもともと淡白なんか?いやそんなはずないわ…。いくら考えてもわからんわ。



「…なんでやろ。」

「謙也どしたん?」


「え?ユウジ?あ、俺口に出しとった?」

「おん。思いっきり」


部室に俺らの声が響く。

取り敢えずユウジに打ち明けてみることにした。


「実はな光が抱いてくれへんねん。俺なんかしたんやろか?」



ユウジの目には今にも泣きそうな俺の顔が写っとった。



「あーそう言えばお前ら付き合っとったな。で、その言い方やと謙也掘られる側?」


ユウジはニヤニヤしながらバカにしたような目で俺を見てくる。


「あ、当たり前やないか!光が掘らせるわけないやん!」



「せやな…。光は許さへんやろ。」


「で、何でやと思う?」


ユウジは顎に指を添えて考え込む。


俺はユウジからの言葉を待った。


「飽きたんとちゃう?」
「はっ?なっ…えっ」
「マンネリ化しとるんやない?たまには謙也が襲ってみるのはどや?」


ありえん返答に頭がついていってへん。俺が光を?


「いや…それはちょ「襲ったことないやろ?一回ぐらい男見せろやこのヘタレ」

「へ…ヘタレちゃうわ!そこまで言うならわかった!ヘタレやないっちゅーことを証明したるわ!」


若干乗せられた感じがあったが、まあええか。












部活中、今日は光と家でなんしようか考えとったらいつの間にか解散の号令。






「お疲れー!」

「お疲れっしたー」


「2人ともお疲れさん!気を付けて帰りやー」



俺は光と2人で部室を出る。

扉を閉める瞬間、隙間からユウジがニタニタしよるのが目にはいった。





しょーもない話題で2人で盛り上がって、いつの間にか俺ん家に着いとった。




家の鍵を開けて光を先に入らせる。



「どうも。…あれ?今日誰もおらんのですか?」


「おん。旅行やー言って今日の朝出ていきよった」


「ふーん。」


光は興味無さそうに返事をした。


なんや、前やったらほな今日は思う存分できますね、とか言うとったくせに…



「おじゃまします。あ、汗掻いたんでシャワー借りてもええですか?」

「おん!ええよ!」



俺の返事を聞くと光はスタスタと家の廊下を歩いて行き、風呂に向かう。



俺は飲み物と何か摘むものを持っての自分の部屋に向かった。



適当に座ってテレビを見ていたら、光が風呂から上がってきた。
俺が貸したロンTを着とった。


「ありがとうございました。謙也さんもシャワーしてきたらどうです?」



光は髪の毛をタオルで乾かしながら俺に言った。


「ほなそうさせてもらうわ!楽にしとって!すぐ戻って来るからな!」


そう言って光を残して部屋から出た。













「ふぅ〜気持ち良かったわー」



すぐ戻る言うたわりにゆっくり風呂に入っとった。



「すまんな光!遅くなって…あれ?」


光の姿が見えない。

よくみると俺のベットで髪の毛も乾かさずに仰向けに寝とった。

「(…ったく寝とるだけかいな)」



電気もついていない部屋は少し薄暗い。


「(あっ…!)」


一度部屋を見回してもう一度光に視線を戻すと、さっきは気付かなかったが、少し大きめのロンTから日焼けしていない白く光る太ももが目に入る。
思わず生唾を飲み込む。

それに加えセットしていない光の真っ黒な髪がいつもと違ってまたかっこよかった。


五月蝿い鼓動を無視し、そのまま俺は寝ている光の顔の横に手をつき組み敷く。

「(少しなら…ええやろ…ユウジもいけ言うてたし)」

小さくリップ音を立て唇を啄む。光の薄いピンク色の唇を指でなぞり、再びキスをおとす。

そして場所を顎、首、鎖骨へと移動させていく。


キスマーク付けたろ思った俺は少しキツめに吸い上げる。


「…あっ」


いきなり聞こえた声に驚き俺は慌てて顔を上げる。

しかし光は静かに寝息を立てとった。

一瞬冷や汗が背中を伝っていった。だか手を止めることはなかった。俺はこの行為を後々後悔することになる。


「(ちょ、俺こっちイけるんとちゃう…?)」


心の中でそう呟いた。


そしておさまらない胸の鼓動をそのままに、光の服に手をかけ震える手でロンTを捲り上げる。


露になった光の胸の飾りにそっと触れてみる。

光は起きる気配はない。
もう俺の中の理性はとうにぶっ飛んだらしい。


「(俺やればできるやん…ヘタレちゃうわ)」


半ば調子に乗った俺はあろうことかその飾りに顔を近付けた。


「…あかんな。謙也さん髪の毛くすぐったいわ」


いきなり聞こえる光の声に反射的に俺は光からガバッと離れる。


「えぇっ!?ひっ光!おまっ「言い訳とかもういいんで続けて」

光は俺の言葉を遮った。


「そっ…わかった…」


自分のやったことに恥ずかしくなり、途中でやめようとしたら光の大きな黒い目が俺を睨む。

有無を言わせぬ光の態度で俺は抵抗することは出来んかった。


再び光の足の上に跨がりちゅうと白い胸に吸い付く。


光は仰向けの体勢から肘を立て俺の行為を見下ろしとった。


「ひ、光…そんな見らんとってや…」

俺は涙声で訴えかける。

「は?あんたから襲ったんやろ、今さら何言うてはるんですか?」


冷たい目で見下され、俺の目からは涙が溢れるのがわかった。


ぐしゃぐしゃの顔で光の胸に吸い付く。

「っ…ふぇ…ひっ…光」

「泣かんといてくれます?寝込みを襲ったんは誰です?」

「…っ…」

「何黙っとるんですか?誰や聞いとるんですわ。」

光の目は怖かった。

「…おっ…れ」

「聞こえませんよ?」

「おれ…っ…っひ」

もう涙やら鼻水やらで顔はぐしゃぐしゃやった。涙は溢れてくるばかり。光のお腹は俺の涙で濡れとった。
「はぁ…」

光からため息が漏れる。


「あぁん!」

「どうしたんです?謙也さん」


股間へのいきなりの刺激に驚き、思わず俺は声をあげた。

歪んだ視界でそこを見ると光が膝を立てぐいぐいと押し付けている。


「やっ…!あぁ!」

グリグリと膝を押し付けられる。


光はうっすら笑みを浮かべとった。

「あぁ!あっ、…あぁっ!」


俺は光の膝で達した。せっかくボクサーもズボンも着替えたんに、自分の出した物でよごしてしもうた。


「もうイったんすか?」

「だって…光がぁ…っ…うっ…ふぇ?」


光はいきなりむくりと起き上がり俺を押し倒す。俺の視界には見慣れた天井と光の顔に支配された。

光が手を上げるのが見えた。光は怖い顔やった。俺はビンタでも飛んでくる思って目を瞑った。


だが来るであろう痛みは来ず、光の手は代わりに優しく俺の涙を拭った。


「え?ひ…かる?」

「すんません謙也さん。つい可愛くて虐めてしまいました」

「…っ!」


光を見ると優しい顔になっとった。
俺はその言葉を聞いてますます涙が溢れてきた。


「うっ…ひかる…っ!」

光は俺を包み込むように抱き締めた。

「謙也さん可愛すぎ…」

久しぶりに感じる光の体温に俺はもう我慢出来んかった。

「んっ…光っ…もぅ我慢できひん…来てぇ」

恥ずかしさなんかどうでもようなった。早く光と繋がりたかった。

「謙也さん…慣らさんでもええんすか?久しぶりやから痛いんとちゃ「ええねん!…もうっ…早よう、早ようきてや」

光は俺の頼みに一瞬不安そうな表情を浮かべたが、すぐに口角の上がったいつもの顔に戻った。

「途中で止めて言うても止めませんからね?」

そう言って光は俺の膝の裏に手を添え足を高く上げさせた。


「あっ…」

後ろに光のが当たる。久しぶりの感覚に体に鳥肌がたつ。

「いくで…っ!」

「あぁ!あっ!ひぁあ…!」


「久しぶりやからっ…キツいわ!」


光は律動を速める。

俺はすぐに2度目の快感の波が押し寄せイった。それと同時にナカが熱くなった。光もナカに出したみたいや。



俺は意識を手放した。




















目が覚めると光は後始末をきちんとしてくれとった。

テレビを見とった光に話しかける。


「なぁ光?」

「なんすか?」

「あの、その、なんでずっと…抱いてくれんかったん?」

「あぁ。謙也さんいつも入れるとき涙流しとるから痛いんやろうなぁ思って、謙也さんからヤろう言うまでヤらんとこ思ったんすわ。」

そう言って光はへらっと笑ってた。


「光っ!だいすきやっ!」


俺は思わず光に抱きついた。
俺の為に我慢しとったやなんて!嬉しすぎて頬が緩んでまう!


「まあ、そしたら謙也さんから襲って来たからおもろかったっすわ。」



「っ〜!!」








もう今後同じ事は絶対繰り返さんようにしようとここに誓った。




















ーやってやられてー



end
素敵な光謙をありがとうございました!

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