短文

□高杉君の憂鬱
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『たーかすーぎくーんあっそびーましょー』

8時ジャストに設定したままのケータイアラームがその役割を果たす手前、チャイム音と聞き覚えのある声で目を覚ます。

ここはとあるマンションF15。
この階15番の家主に当たる人物は銀魂高校、三年Z組の不良少年、高杉晋助である。


『高杉ィいるんだろー開けてよぉ』


『俺らこうして炎天下の中、お前なんかのために会いにきてやったんだぜ
入れろよ、そして俺達に冷え冷えの烏龍茶でも出せコラ』


玄関先から聞こえる二つの声、それはとても聞き慣れているもので、低血圧の高杉を一層苛立たせる声でもあった。


まだ眠気の引かない目を擦りながらインターホンのマイクに口を近づけゆっくりと問う。


『・・・なんの用だ』

不機嫌オーラ全開なドスの効いた声音。


「あれれー寝起きかい?
随分と不機嫌じゃんか」

そうケラケラと笑っている人物は高杉と同じ銀魂高校に通う転校生の神威である。


「最近サボってばっかの晋助君を銀八が心配してな、なんかあったら相談にでも乗ってやれってよぉ」

かったるそうにしゃべるもう一人も銀魂高校三年Z組の風紀委員、沖田総悟だ。

「あんの白髪教師・・・余計なことを」


銀八の不自然な『生徒への配慮。』も高杉にとっては『余計なお世話』でしかない。

よりによって何でコイツ等なんだよ、とマイク越しに呟くと

「水臭いなぁ、俺達親友じゃんか」

と神威。

どこか似通っている性格のせいか最近意味もなくツルむことが多いのだが、親友と呼ぶにはまだあまりにも日が浅い。


「どうでもいいからまず入れろや、こちとら暑さで溶ろけそうなんだよ」


そちらから押しかけて来たというにどこか上から物言う沖田だが、部屋の中まで熱気の篭る真夏日だ、さすがの高杉も同情を抱き、玄関口まで歩いた。


オートロック式のセキュリティーを解除し、二人を中に入れる。

リビングにくるなり人の家の椅子にドカッと座り込む沖田と、「冷蔵庫どこだい?」と室内をウロチョロと歩き回る神威に青筋を立てる高杉。

「そーだ高杉、お前に土産があったんでィ」

ふと思い出したように自分のバッグ内を

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