BL短編
□双に酔う
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オレなんでこうなってんだっけ?
軽くパニック状態に陥った頭を必死に動かして記憶を辿る。
目線をあげれば自分と同じ顔なのに変態オーラ漏れまくりのジルがニヤニヤしてやがる。
キモいから見んな。
「しししっ、どうしたベル?」
「どうしたじゃねぇだろ変態。死ね」
ベッドに押し倒されてその上にジルが体重かけて覆いかぶさるから身動きが取れない状態。
最悪だ。
なんとか逃れようと身じろぎしてみてもビクともしない。ほんの少しの力の差が憎らしい。
「お前マジで死んで。つか殺す」
「そりゃあムリだな失敗作の弟チャン」
「いいからそこどけ」
「ムリ」
「じゃあ死ね!」
「嫌」
お前は子供か。
ガキん時からかなりの変態だったコイツはよくオレのベッドに侵入してきたり、風呂に入ってきたり。
まぁその度に殴ってたけど(でもすぐ避けられた)。
「・・・」
だから今からコイツが何しようとしてんのかは大体分かる。
「退けよ。マジでいい加減にしろお前」
「そう言われると余計に燃える」
何も言わずに殴ればよかった。
「んじゃ」
「っ・・・」
「いただきまーす♪」
「・・・ぁ」
ジルの舌が首筋を這うとオレの体がビクリと震えた。