微熱ト戯言。
□『ある時は的外れ★』
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『ある時は的外れ★』
最近いーたんが目を合わせてくれない。
理由を訊いても何の話だ、とはぐらかすばかりで、全く話に成らない。
そこで、だ。
いーたんを愛する俺は、
いーたんを愛する故に、
いーたんを抱き締めてみた!!!!!
「がふっ…!!?」
「…っウザい!!」
な、殴られた!!
ウザいって言われた!?
ちょ、いーたんそれは無いでしょ。
つか、え?何、俺達ってハグっただけで蹴る殴るの大乱闘攻防戦が軽快に始まるような危なく怪しい恋人兼コンビだったっけ?!
「ていうかなんなんだよ!!!なんで俺拒否られてんだよ!!意味わっかんねー!」
あからさまになんだこいつ、という顔をしたいーたんは、(この狭い部屋の中ではあまり変わらないのだが)少し離れた位置にずれ、背を向けて座った。
「………」
沈黙。
沈んで黙して解体される言葉と時間。
「零崎、」
「ん?」
「……、」
「なんだよ」
不安にさせないよう、微笑んでやりながらいーたんを窺い見ると、少しだけ振り返って
「…ごめん。」
と小さく洩らした。
「殴ってごめん。別に、拒否した訳じゃない、んだ。びっくりしただけで…」
「…い、」
「え?」
「いーたんかわぇえ!!!よし、殴られたことは忘れた!!いーたん、ちゅーしょーちゅー!!!」
「…はあっ!??何言って…ってうわ、バカ、乗るな!!!重…零崎!!?」
斯くして、ぼくは意味の分からない零崎にまたもや振り回される事となった。
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