微熱ト戯言。

□ある時は儚い声の様に
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『ある時は儚い声の様に』


「いーたん、」

「なに」

「いーたん」

「、なに」

「いーたん!!」

「だからなんだって…っ!!」


†そんなに大声出さなくても
聞こえてるよ†


「いーたん好きだよ」

「うん」

「いーたん愛してる」

「知ってる」

「いーたん、」

煩いなあ。
何度もそんなこと言われなくたって、君の言いたい事くらい分かってるよ。

ぼくの後ろ姿に抱き付くようにした零崎は、さっきから幾度と無く同じ事を繰り返す。

案の定、ぼくはいつも通りの対応をするだけ。

「ねぇ、いーたんは?」

「は?」

「いーたんは俺のこと好き?愛してる?」

全く、傑作だよ。
そんなの、決まってるじゃないか。

「君は嫌いなヤツに後ろから抱き付かせたりする?」

「ん、しない」

「君は嫌いなヤツにこうやってちゅーしたりすると」

「、しない」

「だったら、」

ぼくは君の事が好きなんじゃないの。

適当なようでいて、決して適当ではない笑みを浮かべて。

ぼくはそう言った。

「なんて、」

戯言だけどね。

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