Ash&Snow
□Ash&Snow 10
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―――何だ?
暗い表情で黙り込んでしまった乱菊に―――奇妙な不安が、胸の内から湧き上がった。
どうしたのだろうか。
今の今まで、笑顔だったというのに。
冬獅郎は無意識に乱菊に歩み寄ると、その手首を掴んでいた。
そうしないと――――――彼女がこのまま泣いてしまうのではないかと。
そんな、気がした。
「・・・松本?」
自分よりも10cmほど高い位置にあるその顔を、見上げる。
視線が合うと―――乱菊はようやく、はっとしたように顔を上げた。
「あ・・・と、とにかく今日は私が作りますんで!日番谷くんはお風呂にでも入っておいてください!!」
「お、おい、松本。」
ぐいぐいと背中を押され、冬獅郎は咄嗟に踏みとどまった。
―――このまま、話をうやむやにされるのは不本意だった。
だが、乱菊は飽くまで話を逸らすつもりらしく。
「いいですから!日番谷くんは私の体はお好みじゃないようですから、私の代わりにご飯を食べてもらいます!」
「お前、なぁ・・・。」
何とも返答に困るような台詞を吐かれ。
冬獅郎は諦めて、風呂場へと向かったのだった。
To be continued...