Tell me about U!
□5
1ページ/4ページ
「俺らのことキライ?」なんて中河内さんに言われたけど、
あなたたちがキライ、というより、私は単に男性が少し苦手なだけだ。
中河内さんの言うように、みんないい人なのかもしれない。
でも、苦手なものは苦手なのだ。
私は小さい頃から、男性がなんとなく、苦手。
上島先生は、もう付き合いが長いから慣れた。
むしろ、父親みたい。
そう、慣れてしまえば、普通に接することが出来るのだけど、慣れるまでが長い。
アメリカでも、結構苦労した。
今回はさすがに、あまり時間もないので先生くらいじゃなくて、
ある程度の…ほんと、仕事相手の距離で接すれば、それでいいと思う。
そんなことを考えていたら、先生が来ていたようで、稽古は始まった。
私は先生のアシスタントって聞いていたけれど、
実際はそこまで仕事らしいことはしていない気がする。
その日いない人の代役をしたり、歌やダンスのちょっとしたアドバイスをするくらいだ。
今日は主に主役の高橋くんの代役をしている。
今は、増田くんとダンスの練習中。
かれこれ、もう40分くらいはこの曲をしてる気がする。
なんか…ヤバイ…。
頭重い……。
いつもならこれくらい平気なんだけどなぁ……。
頭痛薬飲んでおけばよかった……。
「竜崎さん…?」
「続けて。私は大丈夫だから。」
増田くん、私の異変に気づいたのか、声をかけてくれた。
でも、そのまま踊りを続けてもらわないと。
よし、あと8小節……。
終わっ…た……。
「竜崎さん!!!!」