Tell me about U!

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今日の稽古は、私はライバルズの人たちの担当になっている。

ライバルズ……KENNさんとか、できる人がいるから、ちょっと安心かもしれない。


でも、正直




1番近寄りがたい……。





木戸くん・河原田くんは確か10代だし、松崎さんは30代……。
(今日は木戸くん・河原田くんたち四天宝寺キャストはいないけど……。)


はぁ……。



今日もがんばらなきゃ。







今日は稽古場に1番乗りする気で来た。

「おはようございます。」
「あら、さくのちゃん!おはよう!今日は随分早いのね!
 まだキャストさんは誰も来てないわよ!」

早く来すぎた。スタッフさんは宮本さんとか、数人いるけど。
稽古開始まで、あと1時間半はある。
アップでもしよう。

着替えて柔軟をしていたら、ピアノが視界に入ってきた。


ピアノ……。


帰国してから、まだ弾いてなかったなぁ。
たまに弾かないと、指が鈍っちゃうから厄介。
でも、小さい頃から習ってたから、ある程度は弾けるし、好き。


「あの、宮本さん!」
「なあに?」
「ピアノ、ちょっとお借りしていいですか?」
「いいわよ!それに、コレは私のじゃないし!
 あ、でも私も指慣らししなきゃいけないから、その時は交代ね!」
「はい、ありがとうございます!」


YAMAHAのアップライト……なつかしいなぁ。


小さな丸椅子に腰を下ろして、一呼吸してから、手を鍵盤まで持ってくる。

シューマンの「アラベスク ハ長調」

かなり久しぶりに弾くから、かなり突っかかる……。

なんか、ヒドイけど、まぁいっか。

なんとか弾き終えると、その場にいたスタッフさんたちが拍手をしてくれた。

「さくのちゃん、ピアノもできるのね!!
 ビックリしちゃった!!シューマンね!」
「はい、一応。すみません、お聴き苦しいものを……。」
「そんなことないわよ!ほんと、何でもできるのね……。
 私、余裕を持って必要ないじゃない!」
「そんなことないですよ!宮本さんがいないと私困ります!!」

あら冗談よ、と言って笑いながら、また宮本さんはどこかへ行ってしまった。

私はまた、鍵盤と向き合って数曲弾いていた。

しばらくして少し飽きてきて、なぜか無性に歌いたくなってきたので、弾き語ることにした。


Norah Jonesの「My Dear Country」

ニューヨークで、たまにレストランとかで頼まれて弾き語りをしてた曲。

JAZZは普段はあまり歌ったりしないけど、今日はこの曲を歌いたい気分。






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