mainT 短編・中編

□結局は相思相愛。
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「りみちゃん!!今日、何の日か知ってる!?!?」
 
 
部活の後、ニヤニヤ?ニヘニヘ?しながら、
なぜか私の彼氏であるオレンジ頭が聞いてきた。
(数ヶ月前、千石に押しに押されて、めんどくさくなって、
 告白を受け入れてしまったのである。)
 
今日が何の日か?知ってるよそんなの。
だいぶ前から自分で
「あと31日で俺の誕生日だぁ!」
とかアピールしてたじゃない。
 
でも、素直に誕生日、って答えてもプレゼントせがまれたりめんどくさそうだ。
 
 
 
 
「うるさい、千石。今部誌書いてるんだけど。」
 
「そんなの今日くらい南に頼みなって!!」
 
「私はマネージャー、南は選手。これは私の仕事なの。邪魔しないで。」
 
「もー。真面目だなぁ、りみちゃんは。そんなところも好きだけど!
 じゃっ、早く終わらせてね!」
 
 
あなたが邪魔しなきゃもっと早く終わるでしょうよ。
 
 
ちょっとイライラしながら部誌を書いていたら、突然、私の腰に腕が周ってきた。
 
 
 
「……。ちょっと、千石。」
 
「清純。」
 
「……。千石、腕、邪魔。」
 
「…。りみちゃん、今日何の日か知ってる???」
 
「11月25日。」
 
「何日じゃなくて、何の日か聞いてるのですが…。」
 
「あなたの腕が邪魔で思い出せません。」
 
「えぇー。りみちゃん、ツンデレー。」
 
 
そんな膨れないでよ、めんどくさい。ってかツンデレじゃないし。
 
部誌を書き終えて、南に渡そうと立ち上がろうとしたけど、千石の腕が邪魔である。
 
 
「ちょっと、千石。さっきから邪魔だって言ってるんだけど。」
 
「こっちはさっきから今日が何の日か聞いてるんですけどー??」
 
「わかった。亜久津が初めてタバコ吸った日だ。はい、答えた。どいて。」
 
「はずれ!!てか何それ!」
 
「答えたんだからどいてよ!いつまで経っても帰れないでしょ!!」
 
「正解じゃなかったもん!!」
 
「あぁ、もうわかった!ホントめんどくさいな千石。
 君の誕生日でしょ!」
 
「せいかーい!!!
 見事正解したりみちゃんには、清純くんを差し上げまーす!!」
 
 
立ち上がって手を広げている千石を無視して、南に部誌を渡す。
またぶーぶー文句言ってる声がするけど。
 
 
「真咲、今日くらい優しくしてやれよ。」
 
「そんなこと言うなら南にアイツあげるよ。てか私はいつでも優しいし。
 私の半分は優しさでできてるから。
 じゃなきゃ、あんなめんどくさいのと付き合わないし。」
 
「……あ、そう。」
 
 
「りみちゃーん!!南なんかほっといて帰ろー!!」
 
今度は後ろから抱き付いてきた。
 
「はぁ……。
 離してくれたら、今日は特別、私の手料理をごちそうしよう。
 千石のおごりで。」
 
「えぇ!ほんと!?!?ラッキー!!
 あれ?俺のおごり?まぁいいや!」
 
 
「スーパー行くよ、清純。」
 
 
初めて清純って言った!!
しかもスーパーとか、なんか新婚さんみたいー!ほんとラッキーだなぁ!
とか言って、またニヤニヤ?ニヘニヘ?してる彼氏の手をつかんで部室を後にした。
 
 
 

 
 
 
「真咲、なんだかんだ言って、好きなんだろうなぁ、千石のこと。」
 
「南うるさいっっ!!!」
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
→あとがき

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