Tell me about U!

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あ…れ…?
ここ……?



「竜崎さん、気がつきました?」

「……増…田くん?」

私の視界には白い天井と増田くんの顔が入ってきた。
そして、もしかして私、今ソファーの上??



「竜崎さん、倒れたんですよ。
 すみません、俺が何度も付き合わせたから。」
「いえ!私の体調管理の不行き届きです。すみません。あの…稽古は?」
「あぁ、さっきの部屋で俺のいない場面をやってます。
 俺たちはさっきの部屋の近くの部屋で休憩です。」

言われてみれば、みんないないし、ちょっと狭い部屋だ。

増田くんがソファのそばにあるパイプ椅子から立ち上がり、
近くにあったテーブルの上から水の入ったペットボトルを私にくれた。

「ありがとうございます。
 もしかして……ずっと私に付いててくれたんですか?」
「俺も休憩でしたから。」

増田くんはニコニコしてるけど、きっと先生に看てるよう言われたんだろうな…。

「本当にすみません。大事な稽古の邪魔しちゃって…。」
「いや、ホント俺の覚えが悪いせいですし、
 竜崎さん、帰国してからほとんど休みなかったんですよね?
 上島先生も気にしてましたよ!」
「そうでしたか…。
 増田くん、付いててくれてありがとうございました、もう大丈夫ですから。」
「いいえ!無理しないでくださいね!」

先生にも謝らなきゃな…。


…面倒みてもっらておいて、悪いとは思うけど、
この小さい部屋に増田くんと2人というのは、
居づらい……。


「増田くん、戻りましょうか。」
「あの!さくのさん!って呼んでいいですか?」
「え?あぁ、お好きにどうぞ…。」

増田くんが扉を開けた。

「「あ。」」

すると、扉の前に大河くんがいた。

「元気さん、何してるんですか?」
「いや、まっすー迎えに来た……。」
「あぁ、それはどうも。じゃ、行きましょう、さくのさん。」
「は?お前も名前呼びかよ。ってか、え?俺来た意味は?」


増田くんに手を引かれながら稽古場に戻った。


「おぅ!さくの!大丈夫かぁ?ったく、無理すんじゃねぇぞ!!」
「はい、ご迷惑おかけして、すみませんでした。もう大丈夫ですから。」

稽古中だったけれど、上島先生は私を心配してくれていたようだ。




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