リボーン長編

□第三話 屋上で
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一限目の自習(もとい質問攻めタイム)に耐えられなくなった名前は
教室を出て、屋上にあがった。

ガチャッ

ピュゥと風が吹いて、目の前に青空が広がった。

『(気持ちいいな・・・)』

屋上には人の気配はなかった。
(それもそうだ。今は授業時間なのだから)
名前はそのまま屋上のフェンスに体を預け、少しの間、空を見上げていた。

―――・・・…

どれくらいの時間がたっただろうか。
立っているのが辛くなってきて、コンクリートの上に座って空を見上げた。
本当は少しだけ抜けるつもりで来たのに、
いつの間にか時間がたっていた。

そろそろ戻らなければいけないだろうと思い、立ち上がったとき。
後ろの方で寝返りをうったような音がした。

『(もしかして、誰か居たのかな?)』

振り返って、少し奥の方を見れば、学ランを毛布代わりにかけて寝ている黒髪の少年が居た。

『気持ちよさそうに寝てるなー・・・』

ピクッ

『(やばっ起しちゃったかな?)』

「ん・・・」

少し眠そうに起き上がった少年。

『ごめんなさい、起こしちゃって』

まだ完璧には目覚めていないようで、開ききっていない目をこすりながら

「うるさいよ・・・」

と力なく答える。

『ごめんなさい。私、もう戻りますから』

屋上のドアに向かって歩く。

「待ちなよ」

『はい?』

そう言いながら、黒い髪の少年が腕を掴んだので、振り返る。

「僕の昼寝の邪魔して、そのまま帰るなんて許さないよ」

『え・・・じゃあ、何をしたら許してもらえますか?』

首を傾げながら聞くと、

「・・・膝枕で勘弁してあげるよ」

と、俯き加減に言われる。
やはりまだ眠いらしい。

『分かりました。でも私、授業にも出ないといけないので、少しの間でいいですか?』

「・・・ダメ。僕が起きるまで動かないでね」

『でも私、授業が・・・』

「そんなの、僕が先生に言っておくよ」

『・・・。分かりました、お願いします。
あの、お名前教えてくれませんか?』

名前は膝枕をするために正座する。

ヒ「雲雀恭弥」

少年は答えた。

『雲雀さん、どうぞ』

軽くポンポンと足を叩きながら言う。
雲雀はその膝の上に頭を乗せて、眠り始めた。
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