■Positive種BOOK■
□告白
1ページ/2ページ
「勝負しろ、ニコル」
「いいですよ」
それは、いつも一番を取っている科目だったから‥簡単に引き受けてしまった。
ニコルが得意の爆薬処理でイザークに負けたのは、初めてだった。
「負けたら何でもすると言ったのは貴様だろうが?!」
「絶対嫌です!貴方と言う人は‥人をからかってそんなに楽しいんですか?!」
「別にいいだろ!キスの一つや二つ‥減るもんじゃないだろうが!!」
もう誰も残っていない更衣室。二人はインナーの姿のまま争っていた。
(キスしろ何て‥)
イザークが本気で言う訳がない。自分の反応を見て、馬鹿にしてるだけだ。
ニコルは泣きそうになるのを堪えながら、イザークを睨む。年下だから舐められているのだと思うと、悔しかった。
「いいとか悪いとかじゃなくて‥貴方だって、男とシたって楽しくないでしょう?」
「悪かったな?!俺は、貴様ならいいんだよ!」
「いいって‥」
「とっととさせろよっ!腰抜ぇっ!」
ニコルは女性の替わりにされるなんて、たとえ罰ゲームでもごめんだった。
どんなにイザークやディアッカ笑われようが、ファーストキスは好きな人とすると決めている。
(僕が女顔で童顔だからいけないんだ‥!)
「見てくださいイザーク、ほら、僕は男ですよ!」
「!!」
ニコルは腰に手をあてると、下着ごとズボンを下ろす。イザークは突然のことに、唖然とニコルを見つめていた。
「わかりましたかっ?!僕は女性の替わり何て出来ませんからねっ」
「ニ‥ニコル…何してる、貴様?!」
「これでもキス出来るんですか?!」
「なっ…ちっ‥ああ、わかったよ!!わかったから服を着ろ」
「……わかりました」
ニコルがさっさと服を直して顔をあげると、イザークが気まずそうに顔を反らしていた。何だか頬も赤い。
「…なに嫌かよ」
「え?」
「俺が、そんなに嫌かよ?!」
「何言ってるんですか?」
ニコルは首を傾げた。からかわれて嫌な思いをしたのは自分の方なのに、何故イザークが怒るのかわからない…。
「そんなに、アスランがいいのかよ?!」
「イザーク」
「俺はアイツよりずっと…」