■Positive種BOOK■

□告白
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「勝負しろ、ニコル」
「いいですよ」


 それは、いつも一番を取っている科目だったから‥簡単に引き受けてしまった。

 ニコルが得意の爆薬処理でイザークに負けたのは、初めてだった。

「負けたら何でもすると言ったのは貴様だろうが?!」

「絶対嫌です!貴方と言う人は‥人をからかってそんなに楽しいんですか?!」

「別にいいだろ!キスの一つや二つ‥減るもんじゃないだろうが!!」

 もう誰も残っていない更衣室。二人はインナーの姿のまま争っていた。

(キスしろ何て‥)

 イザークが本気で言う訳がない。自分の反応を見て、馬鹿にしてるだけだ。

 ニコルは泣きそうになるのを堪えながら、イザークを睨む。年下だから舐められているのだと思うと、悔しかった。

「いいとか悪いとかじゃなくて‥貴方だって、男とシたって楽しくないでしょう?」

「悪かったな?!俺は、貴様ならいいんだよ!」

「いいって‥」

「とっととさせろよっ!腰抜ぇっ!」

 ニコルは女性の替わりにされるなんて、たとえ罰ゲームでもごめんだった。

 どんなにイザークやディアッカ笑われようが、ファーストキスは好きな人とすると決めている。

(僕が女顔で童顔だからいけないんだ‥!)

「見てくださいイザーク、ほら、僕は男ですよ!」

「!!」

 ニコルは腰に手をあてると、下着ごとズボンを下ろす。イザークは突然のことに、唖然とニコルを見つめていた。

「わかりましたかっ?!僕は女性の替わり何て出来ませんからねっ」

「ニ‥ニコル…何してる、貴様?!」

「これでもキス出来るんですか?!」

「なっ…ちっ‥ああ、わかったよ!!わかったから服を着ろ」

「……わかりました」

 ニコルがさっさと服を直して顔をあげると、イザークが気まずそうに顔を反らしていた。何だか頬も赤い。

「…なに嫌かよ」

「え?」

「俺が、そんなに嫌かよ?!」

「何言ってるんですか?」

 ニコルは首を傾げた。からかわれて嫌な思いをしたのは自分の方なのに、何故イザークが怒るのかわからない…。

「そんなに、アスランがいいのかよ?!」

「イザーク」

「俺はアイツよりずっと…」

 
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