SSS

□講師料
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駄目だああ、という言葉を吐き捨てながら机に突っ伏しつつ無情にも進んで行く時計の秒針に目をやる。

駄目だ、全然分からない。

こみ上げて来る焦りからもう一度細身のシャープペンシルを手にとり問題に目を走らせてみても答えに辿り着く訳もなく。
仕方が無いので適当に机に突っ伏したままその時を迎える事にした。

秒針がカチリと動いた音と共にドアが開かれる気配を背中で感じる。

「失礼致します。っ、お嬢……様、一体どうされたのです?」

いつもの優しい声がゆったりとした足音と共に近付き、その足音が私の隣で止まったのを確認すれば、待っていたと言わんばかりに御堂さんに飛び付く。

勢いに押され、「おおっと!」と、よろける御堂さんに構わずその広い胸にすがりついた。

しかしすぐにやんわりと両肩を抱かれ距離をとられてしまい不満気な声をあげる私に「驚いたのですよ?」と困ったように眉を下げては私の鼻先をつん、とつつく。

「だって…せっかく御堂さんと2人きりの大切な時間を宿題に振るなんてやだ……」、と項垂れながらに呟けば、少し戸惑いを見せながらもにこりと微笑む御堂さん。

「でしたら、私がお手伝い致しましょうか」

「本当に?嬉しいっ」

じゃあ、と早速先ほどの問題文を指差して振り返れば不意にこつん、と肩に御堂さんの頭が乗ってきてトクン跳ねる心臓。


「ど、どうしたんですか?」

「……本日は少々懐(ふところ)が寂しいので、講師料を頂きますね、」


そう言った御堂さんに突如抱き締められた私の唇に降り注ぐ、ささやかなキスの雨。






(あなたになら払い過ぎてしまいそう)



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お嬢様と御堂さんの関係ポジションが良く分からんですね、恋人未満主従関係以上的な感じか…


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