SSS

□挙げ句の果てに
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高音の鐘や金属音が入り混じる様な酷い耳鳴りに疲れが滲んだ顔を塗り替えるように口元に力を入れ、自然な笑顔を浮かべて扉を開け放つ。


「ただいまー!!」

「お帰りなさいませ、お嬢様」

優しく迎え入れてくれるその暖かな微笑みに塗り替えた偽りの笑顔が崩れかけた。

それを隠す様に俯き靴を脱ぎ始めれば、「今日の学校はどうでしたか」なんてお母さんが言いそうな台詞に「うん、今日も楽しかったよ」なんて答えるのはいつもの事。

もちろんこんなの嘘だけども。

楽しみなんて終業のベルくらいな訳で。


日々日々エスカレートしてゆく嫉み憎しみの籠もった不条理な嫌がらせを受けても隠し通すのは楽じゃない。

こうして毎日優しく包み込んでくれる御堂さんに嘘を吐くのもそろそろ疲れた。


「……違います」


突如違いを指摘され何のことかと振り返る前に顎を軽く掴まれ視線を合わせられれば、眉を潜めた御堂さんとの顔の距離が物凄く近くて……、何も言えない唇が微かに震える。


「違います。私が聴きたいのは、お嬢様の嘘ではありません」


嘘が、バレた。


その衝撃と真っ直ぐに見つめられ逃げ場が無くなったと言う事から涙がじわりと溢れ出る。

怒られても責められても無いのに ごめんなさい、ごめんなさい!と、何度も何度も謝ればそっと人差し指が唇に添えられ、ぴたりと止む謝罪の言葉。

空いた手で私を引き寄せて優しく抱き締め、そして耳元で囁くように言われた「もう、大丈夫ですからね」と言う声にどれだけ励まされたか。

そっと撫でられた頭。

救いの手を伸ばして貰えた安心感から涙が溢れる瞳を閉じ、御堂さんに体を委ねれば また明日も頑張ろうと思った。



「私がお嬢様をお守りいたします」






その優しさは挙げ句の果てにを剥く。

(あなたを守る、その為ならば)



後日クラスの数名が退学処分を受け奨学金返済の借金まみれに陥ったなんて知る筈も無く、笑顔で学校へと向かうあなたを今日も私は笑顔で見送る。




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この話しの短さは多分過去最短!!

まあまあ歪んだ愛と、とりあえず御堂さんと西園寺の力はとてつもないのを想像したらこうなっちゃったんだな(^q^)ほげ


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