SSS

□お嬢様の思いは私の思い
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主人の喜びは私の喜び

主人の悲しみは私の悲しみ

主人の思いは私の思い


これは長年に当たり自身の中での掟みたいなもの。

事実、お嬢様が喜ばれれば私も嬉しいものであるし、お嬢様が悲しまれればこちらも悲しい訳で。


「どうしよう…」


午後のティータイムにお嬢様の部屋を訪れた時だった。

クリスタルポットの中で上へ下へと踊る茶葉を見つめていたお嬢様が ふ、と呟くように言った。


「どうかなされましたか?」


「あの…、その……ね」


淡い朱色に色付き始めたポットの中の様に頬を染めるお嬢様に心なしか嫌な予感がよぎる。

ためらっているのか、もじもじとた仕草に更に心の奥が重みを増した。

ああ、ついにお嬢様にも想いを寄せる方が……と悟る。


いくらお嬢様が想いを寄せる方であっても……果たして自分はその相手に好意を持ち受け入れられるのだろうか。


「あのね、好きなの」


やはり。


一体誰を?と聴きたくもない事を敢えて質問しようとするも、いきなりに両手を掴まれた驚きに目を丸くする。

「お嬢……様?」

非常事態の重なりにただただ唖然とする私を見つめたままにお嬢様はその口火をきった。



「御堂さんの事がっ!」

お嬢様思い思い
(私も同じ気持ちでございます)



まさか自分の事だったとは、と驚きにただコクコクと頷く私を見上げて不安げに揺れる瞳に見て早く応えを出さなければと必死に思考を回転させるも、
「私もお嬢様が大好きですよ」と答えるまでにどれだけの時間を費やしたのだろうか。




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ちょい!(何

ありきたりネタが書きたかくてしょーもなくて書いてしまったのがこれ。



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