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□all along *
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一目で、欲しいと思った。


千年公の『お仕事』で訪れたとある街で見かけた少年。品のいい服を纏い大きな鞄を持ってキョロキョロと何かを探すように辺りを見回すその姿は、人混みの中でも一際目を引いた。白い髪は太陽の光を受けて輝き、大きな銀灰色の瞳は冬の日の朝の様に澄み渡っている。
彼を視界に捉えた瞬間、全ての動きが酷くゆっくりと感じられた。擦れ違う人々も街の喧騒もどこか遠い存在のようで、はっと我に帰った時には立ち止まっていた。


一目で欲しいと、この手で穢したいと思った。


見失わぬようすぐに踵を返して少年の後を追う。優雅な足取りを意識しながらも確実に距離を縮めて、もう手を伸ばせば触れられる程の距離。少年の動きに合わせて見え隠れする項が愛おしい。

(…さて、今回はどうしようか)

手袋に覆われた指先を顎に添えて考える。この天使のような容貌の少年を堕とす為には、どうすればいいのか。

(ああ、そうだ)

ふと先ほど見かけた景色を思い出して笑みを深める。あそこがいい、最適だ。後はいかに怪しまれず事を運ぶかだけ。

「………」

一瞬、見れば見るほどまだ未発達の薄い体つきをした少年に、このまま無理に掻っ攫ってしまうのも手かという考えが浮かぶ。しかしながら端から怖がられてしまっては意味がない。

(オレが、見たいのは)

この少年の顔が恐怖に歪んでいく様、この綺麗な顔が快楽に溺れていく様だ。
そう結論づけて頭の中で出来上がったもう一つのシナリオを演じることにする。

久しぶりの快楽にゾクリと背筋が震えた。これが植え付けられたメモリーによるものなのかなんて、オレには至極どうでもいいことだった。楽しいコトは楽しいのだから仕方がない。
ああ、胸の疼きが止まらない。


さあ「少年」
オレと遊ぼうか?


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