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□Verona *
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clang-clang
clang-clang
街に響き渡る、彼らの鼓動が好きだった。
chirp-chirp
chirp-chirp
はしゃぐような小鳥のさえずりまで重なって、朝日を見上げる。
今日も、ボクの好きな街は生きていた。
シュー
穏やかな陽射しが目蓋をくすぐる。頬には心地よい体温。
(このまま……、もう少し…)
「じゃない!!」
再び重たく落ちかける目蓋を無理やり引き上げて飛び起きる。
「ラビ!!起きてください!!駅に!!電車が!!」
「んにゃ〜アレンそんな大胆な…」
「どんな夢見てるんですか!?ああ!早くしないと…!!窓から放り投げられたくなかったらさっさと戻って来い馬鹿ラビー!!」
戦争の最前線で戦う僕らが仲良く寄り添って昼寝をしてしまうくらいには。
「待っ…ちょっ…待っ…アレン!待っ……おわぁ!!」
花と緑に愛された、穏やかな街だった。