この腐った世界で

□第2話
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ツバキ
「さて、皆集まったようだな」



カイト
「はいはーい、ツバキ上官

なんで、俺たち今日は呼び出しくらってるんですかぁ?」


カイトが勢い良く手を上げ(いかにもアホそうに)ツバキに質問した



コウタ
「あ、それ、俺も思ったんですけど

俺とカイトは今日は1日オフのはずなのに、なんで?」



ツバキ
「先日、ブリーフィングで言ったはずだが?

お前たち2人というやつは・・・」


額に手を当てツバキは若干呆れ気味である




リンドウ
「今日は確か、ヨーロッパ支部からここ極東支部に神機使いが移動してくるんだったか」


カイト
「そうだっけ…?
で、その人ってどんな人?

女の子?

強いの?」



ツバキ
「今から紹介するからカイト、おまえは少し黙れ」

女の子!? 女の子なのっ!?、と連呼するカイトは教官からお叱りを受け、みんなが笑った






ツバキ
「さぁ、入っていいぞ」


と、ツバキが言えばエントランスの扉が開き新人の神機使いであろう者が入ってきた





黒いコートを羽織り、フードを目深に被って顔を隠した男だった



「ジル・ホーディアゼル・・・
今日から極東支部に配属になった」




アリサ
「?
(ジル・ホーディアゼル?
どこかで聞いたような・・・)」




リンドウ
「おいおい、自己紹介なんだから顔ぐらい見せてくれてもいいんじゃないか、少年?」


リンドウが苦笑しながら言うと、それに対して無愛想に返す新人。


「俺の顔など、別に見なくてもいいだろ。
ミッションに支障が生じる訳でもない」


リンドウ
「それじゃあ、少年の顔が覚えられないだろ」


カイト
「それ、俺も同意

と、いうことで失礼♪」


そう言うとカイトがジルの後ろに回り込み、彼のフードを勢い良く脱がした




その下から露わになったのは

赤い髪、深い青の瞳
左目の眼帯
そして、傷・・・




アリサ
「っ!!
(・・狂・・・犬!?)」



そうだ、私はあの男を知っている

隻眼の狂犬、
ジル・ホーディアゼルだ

自分がロシア支部にいた時にいた

アリサは思い出した




彼がヨーロッパ支部で狂犬と恐れられた神機使いだったことを


アリサ
「なんで…、此処に…?」

アリサが驚きに小さな声で呟くと、チラリとジルが一見したように見えた。
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