戦国ノ書壱 続

□エピローグ&あとがき
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【あ、あれ?】


ジッ、ジジッ・・・ザーッ


それまで毘沙門天が見ていた画面の上杉 謙信の姿が砂嵐に覆われた。


【うーん?やっぱり地デジにしなきゃダメなんだろうか?

あ、前に信乃が映りが悪いテレビは叩けば直るって言ってたような?】


変なところで現代的な毘沙門天は画面の砂嵐が自分のせいだとは気付かず、拳でゴンゴン叩く。

すると砂嵐しか映っていなかった画面が先程までのように景色を映した。


【ヒャッホォ!!映った――!
でも駄目だ、録画を失敗してしまったァァアアアッッ!】


一人落ち込みながら誰に言う訳でもなく、
毘沙門天が俯せの姿勢から画面を見ると


【おや?】


画面はいつの間にか城の茶室でかすがとお茶を楽しむ謙信の姿ではなく、

雷華と信乃がトリップする前に通っていた高校の、全ての始まりとなった屋上が映し出されていたのである。


それだけならまだ問題は何も無かったのだが―――


【う、嘘・・・!?
や、ヤバいよっ!!】


画面の屋上に本来なら映り得る、
またはあり得るはずのないものに毘沙門天は狼狽えた。

そして次の瞬間、


【ちょ、止まれ!

いや聞こえないか!?あ、あーっ!?

・・・ええいっ、しょうがないっ!!】


毘沙門天が放り出していた宝刀を手に早口で何やら呪文を唱えると、
画面に映った何かは光に包まれた後

――――――消えた。



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