MeinU
□プロローグ
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春、満開の桜の花びらが風に揺れて舞い落ちる。
『もう…春なんだ…』
誰も居ない、放課後の教室で…独り、呟いた…
ガラッ
「璃々ー?帰ろうぜー」
一人、少年が教室に足を踏み入れる。
『んー…。今行くー』
そうして、2人は教室を後にした
『ぁれ?渉、なんか…傷増えてない?』
「ん?そーか?」
鼻、おでこ、頬、口元…手、足…
どこもかしこも傷だらけだ。
不思議に思わないほうが可笑しい。
『うん……また、部活制覇?』
「おっ!さすが璃々ッ!!分かってんじゃねーか♪」
『…そりゃまぁ…慣れてきたし……』
渉は、帰宅部である。
だが、幼馴染の璃々は毎日生徒会で帰りが遅れる。
待ってる間、暇な為、運動部を回って勝負をして居るのだ。
『…保健室行ったの?』
「んぁ、行ってねーな;」
『………。ちゃんと行こうよ…;』
璃々は、普段明るい性格なのだが、
こうも…怪我をされると…疲れたのだろうか、口調が至って変わっている。
『もう…ッ;!心配なんだから〜ッ!!』
「はは;悪ィ悪ィ;」
こうして、彼女を巡る純恋が始まるのであったー…。