てにす
□選択肢あったのかよ!
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5日目にして、おいおいおいっ
今日はパンチパーマよろしくなオカンがいないと思ったら、まさかの修羅場!
嘘だろ、まだ始まって5日のどこに危険ポイントあったよ?
って、言われてみれば、昔友達から借りたゲームはすぐにバッドエンドになって、セーブを小まめにわけてたわな。
昨日の俺、どこで選択肢間違えたっ
「へぇ、知らなかったよ。
結愛と手塚が知り合いだったなんて」
周助が早くも開眼して、鋭く国光を睨み付けていた。
だが、それに動じる様子もなく、涼しい顔をして両手を組んで、こちらも負けじと睨み付けている。
その様子を間近で見る結愛は、今にも気絶しそうなくらい真っ青だった。
「いつも君はだんまりを決めるよね。
まさか、僕の結愛に手を出してたなんて、天下の副会長が呆れるよ」
周助の怒りは国光へと向いており、今の所結愛にはおとがめないらしい。
おとがめと言っても悪い事は何もしていない。
ただ、国光に抱き締められている所を周助に見られてしまい、そこでようやく互いの想い人が同一である事を知った。
その二人の驚きようは凄いもので、普段ポーカーフェイスで決まっている王子様と、クールで厳格ある低音エロボイスが、これでもかってくらい驚愕に表情を変えてたから、さすがの結愛も申し訳ない気分になったのだ。
別に自分が悪い訳ではないが、生徒会トップ2の二人がライバルとは過去に一度もなかったらしい。
「誰がいつ、お前のものになったんだ?」
国光の反撃が始まり、戦いのゴングが鳴った。
「結愛は僕だけのお姫様だって、出会う前から決まってたんだけどね。
まさか横から、奪われるとは思わなかったよ」
え、あたし王子様と運命的な赤い糸で繋がってたの!?
しかも奪われるって、もしかしてヤンデレルート発動しちゃった!?
結愛が一人あわあわしてるうちに、二人が殴り合いを始めた。
今時、女一人にここまで熱くなれるのかよ、と心の中で思ったけど、そんな事を言っている場合じゃない。
今すぐ止めなければ、そう体を動かした瞬間に、背後から衝撃が起きる。
吹き飛ばされ、気づくと床にうずくまっていた。
何か起きたのかわからずにいると、周助と国光が同時に結愛の名前を呼んだ。
「っ…本郷さんが悪いんだからね…。
あたしの周助をたぶらかしたから…」
先程まで自分がいた方へ視線を向けると、見たこともない女子生徒が立っていた。
そして体を震わせながら、手にはナイフを持っていて、先端には血が着いている。
その瞬間、結愛は全てを悟った。
あぁ、あたし刺されたのか…。
だから、目がかすむし、背中が凄く痛くて、体の感覚がどんどん無くなっていくのか。
って、それヤバくねぇ!?
え、マジかよ、あたし死ぬのかよっ
「結愛っ、死ぬんじゃないっ…」
周助の慌てようと、国光がその女子生徒を捕らえ、床に拘束する。
「周助はあたしだけのものなんだからぁぁぁぁ!」
女子生徒が叫び、周助に抱き締められ、結愛の意識が途切れた。
…
……
………
そのクリックを押すと、ニューゲームと書かれた文字が広がった。
おいおいおい、嘘だろ…
もしかして、選択肢あったのかよ!
しかも人を選べるとか、最初から何故出さなかったっ
2018.7.21 END
短いですが、管理人のアホな脳内に付き合ってくれて、ありがとうございます。
また書きたくなったら、立海で書くかもしれません。