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□甘い菓子
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【signal】
誘っているのか,と思ってしまう自分がいる。
これは彼女からの「いいよ」という合図なんじゃないか。
いい加減,そう受け取ってもいいんじゃないだろうか。
腰に回された腕のぬくもりを感じながら,やり場のない悶々とした感情を持て余すこの時間。
俺のことなんかお構いなしに,彼女は規則的な寝息を奏でながら,安らかに眠っている。
時々,悩ましげに眉根を寄せたり,ぴくっと睫毛が揺れ動く。
そんな些細なことさえも見える距離。
せめて明かりが落ちていれば良かったのだけど,そうすると彼女が眠れないらしいので,照明はつけたまま。
だからいつも,この部屋を出て行く時に俺が消す。
そう。
一晩中,こんな体勢でいるわけじゃない。
むしろ,もしそんなことがあったら俺の自制心とか理性とかはすでにぶっとんでいただろう。
『抱き枕になるのは1時間だけ』
あらかじめ彼女と決めていたこれは,この生活が始まってから3ヵ月,破ったことはない。
それにしたって,俺もよく我慢してると思う。
これでも若い男だ。
好きな子を前にして,こんな体勢で,しかも夜で。
そう思うと,明かりはついていなくて良かったかも知れない。
「……よく眠ってるよなぁ」
俺のことなんて,本当に抱き枕としか思ってないんだろうな,こいつ。
でもさ。
いい加減,気づいてくれよ。
でないと,そのうち,
「――食っちまうぞ」
彼女が俺の気持ちに気づくのが先か。
俺の本能が行けと命ずるのが先か。
残りの15分間は,緩く絡められた彼女の足ではなく,そっちを考えることに意識を向けようと思った。
――――――――――――
あれ?これ,甘いのかな?(滝汗)
まぁ…いいや…こっちで…
腕枕だと色気ないなー
よし抱かれちゃえー
みたいなノリです(語弊あり)
むらむらしてる気持ちが伝われば嬉しいです!
ヒロインが描写しか出なかったり,どちらも名前がなかったりするのはよくあること。