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□甘い菓子
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▽9/24
【IN autumn】
すっかり秋だね,と笑う君。
つい先日まであらわだった白く細い彼女の両腕は,薄手のカーディガンで隠れてしまっていた。
「もう9月も終わるからね」
それにしても,今日はいつにもまして涼しい気がする。
朝のこの時間は,もう半袖なんか着れないな。
「これからもっと寒くなるのかぁ」
「寒いの嫌いだっけ?」
彼女は冬生まれだから,てっきり冬が好きなんだとおもっていたけど。
曖昧に笑うとこから,どうやら違うらしい。
「嫌いじゃないよ。でも,苦手」
「そうなんだ」
「そっちはどうなの?」
「ん?割と好き」
「えー?」
「だって,」
無防備だった彼女の左手を,少しだけ強引に握りしめた。
冷たい指先が,次第に温もりを持ち始める。
「寒いのを言い訳に,こうすることができるでしょ?」
「…………ばか」
「ありがと」
「褒めてない!」
ほんのり赤色になった彼女の頬をかすめた風は,やはりすっかりと秋めいていた。
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今日はやたら寒いので,みんなにも秋を感じてもらおう!と思いまして。