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□甘い菓子
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【Look at me!】



なによ,へらへらしちゃってさ。

あんまり目立ちたがり屋じゃないけど,実は顔が良くて人当たりがいいことなんて,あたしだけが知ってればいいのよ。
そんな,ただ合コンで知り合っただけの女に教えないで。
教えるような真似しないで。

「えっ,じゃあ築地さんって理系なの?」
「そう…です。一応」

何はにかみながら答えてんのよ。
バリバリの理系でしょ,あんた。

「すごーい!理系とかかっこいー!」

馬鹿っぽい喋り方をする女だ。
残念。そいつのタイプは「知的美人」なのよ。
あんたなんか眼中にないっていい加減気付け。

だからその熱っぽい視線と,さりげなく腕を掴んでる手を離しなさい。

そこはあたしの場所なのよ。

「……はぁ」

だから合コンなんか来たくなかったのよ。
ましてや,幼なじみのあいつとなんて。

人数合わせと言えばそう。

いるだけでいい。
2人で来て,適当に他の人とも喋って,ご飯をしっかり食べて楽しんでってくれ。

主催者の言葉を,酔ってぐらぐらしてきた頭で思い出す。


――全然楽しくない。


どうしてあたしが,あいつが女の子に
ちやほやされてる場面を見なくちゃいけないのよ。
いらいらする。
気分が悪い。

「……もう帰りたい」

今すぐあの馬鹿の腕を引っ張って,この場を立ち去ってしまいたい。
事後処理とかどうでもいい。
あの女だってどうでもいい。

――あいつに,あたしだけを見ていて欲しい。



なんてね,と呟いて,自分の思考にストップをかけた。

あたしがあいつの彼女だったら,そんなこともできたのに。


ただの幼なじみじゃ,役不足だわ。


無意味に沈んできた気持ちは,

「あの…,話しかけてもいいかな?」
「はい,大丈夫ですよ」

こちらへやってきた見ず知らずの男の方へ向けることにした。

「さっきから気になってたんですよ。あんまり楽しんでなさそうだなーって」
「そんなことないですよ。楽しいです」

(よく分かったわね)

「じろじろ見ちゃってたかもしれないな…」
「実は気づいてましたよ」
「え,気分悪くした…かな?」
「大丈夫ですよ」



(でも違うの)

(あたしが見て欲しいのは,あなたじゃなくて)


(あいつだけなの)





―――――――――――――

片思い初めて書いたよーっ!
実は彼と話してたのは,話しか
けてきた彼の彼女なんだよとか書こうと思ったけど長くなりそうだからやめました!


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