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□甘い菓子
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▽10/23
【PiAno】



彼女の指が最後の音を弾いて,僕は瞼を持ち上げた。


もう一度,と言うと,彼女は困ったように笑った。

「また?そろそろ飽きない?」

ふるふると首を横に振る。
全然そんなことない。

「そっか…ホントにこの曲が好きなんだね」

そういう彼女だって,楽譜を見ずに引けるようになるくらい好きなくせに。
何度僕が頼んだって応えてくれるくせに。

「それじゃあ,弾くよ」

また弾き出した音に満たされる感覚。

――本当は。

この曲が大好きっていう訳じゃない。
大して面白みもないピアノソナタ。


でも,彼女が好きだと言うから。
この曲を弾く彼女が好きだから。


僕は,馬鹿みたいに何度でも彼女にリクエストする。


(どうでもいい本音は,)

(この部屋に溢れる音に埋もれてしまえ)





―――――――――――――

すげぇ…久しぶりに短い…。
いつもこれくらいにすりゃ,朝更新できんのによ…。

短い割に気に入ってるとかどうでもいいねごめんなさい!



よかったら拍手をどうぞ...



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