章用 DRRR

□殻でも刺さればよかったのに
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折原臨也、なんて可笑しな名前。
明らかに人とは違う中身を持った彼にはお似合いのオリジナルネームなのかもしれない、と矢霧波江は思った。
「臨也、こっち向いて」
「なに?」
パシャン、と軽いものが砕ける音がして臨也の顔面に卵が散った。
「腐りかけじゃない。もっと早めに使っておけば良かった」
「えええ!?他に言うことあるよね波江!卵ぶつけといてなにそれ!?」
「今日あなたに出した卵焼き、腐りかけだったみたいだけど特に悪いと思ってないわ」
「悪いところしかないじゃん!反省しようよ!うわっ…目に染みる…」
「ぷっw」
「そこ笑わない!」
「だって今のあなたの顔、無様なんだもの」
「誰のせいだよ!」
「こないだあなたに卵をぶつけて以来その快感が忘れられなくて…」
「とんでもないS精神に目覚めたね!?」
「もう、うるさいわね糞虫が」
「ちょっと待って糞虫って」
「卵焼きにトリカブト入れないだけいいと思いなさいよ!」
「え?最強の毒性植物を入れるつもりだったの!?そんなに俺が嫌いなの波江!?」
「あなたが思ってるより、私はあなたのことが嫌いよ」
「てことは好感度ダンゴムシ以下…?」
「いいえ、便所虫未満よ」
「泣いていいよね?ねえこれ俺泣いていいよね?」
「ウザい。全人類に迷惑よ」
「…」
とりつくしまもなく背を向けた波江に、それでも臨也はにやけて言った。
「でも、さっき波江初めて俺のこと名前で…へぶっ!?」
臨也の顔に豪速で繰り出された二回目の卵がぶつかった。

変な名前変な名前!アクセント間違えてたりしないかしら!






――――――
臨也そこ代わってくれないか。
「臨也の顔面に卵ぶつけて腐ってるかどうか確かめる波江さん素敵」って弟が言ってた。

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