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□食いモンの恨みには気をつけろ
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―食べ物の恨み、って怖いですよね。



【食いモンの恨みには気をつけろ】



「…ねぇ」

「どうしました?」

「…冷蔵庫に入れてた僕のプリン、なくなってるんだけど」

「ど、どうしてでしょうね」

「…」

「…な、なんですか?」

「骸…食べたでしょ」

「たっ食べてませんよ!!」

「嘘、目が泳いでるよ」

「…泳いでません」

「だってザバンザバンってクロールしてるもの」

「してません、それに言うならバタフライにしてください」

「なんでそんな華麗な感じなの。いや、やっぱり平泳ぎにしよう」

「なら背泳ぎの方がいいですよ」

「ちょ、なんで僕が言いたかったこと先に言うのさ」

「水泳の種類って言ったらもうこれくらいしかないじゃないですか」

「他にもなんかあるでしょ。ていうかパインなら泳がずに流されてれば良いんだ」

「誰がパインですか、誰が」

「貴方。六道骸またの名を変態パイナポーとも言う」

「言いませんよ、僕のチャームポイントなんだと思ってるんですか」

「パイン」

「即答しないで下さい」

「じゃあ…あ、ブルーベリーなんてどう?」

「どうと聞かれましても。ていうかどうしてブルーベリー…髪が藍色だからとか言わないでくださいよ」

「……」

「図星ですか」

「五月蝿い、僕の台詞取るな」

「だって単純すぎますよ」

「ああもう貴方パフェにトッピングされてれば良いのに」

「やめてください、食べられるじゃないですか」

「食べられればいいんだよ」

「嫌です、寧ろ僕は食べたいです恭弥を」

「死ね」

「酷いです…クフン」

「キモい。この世に一片のDNAていうか種子も残さずに死ね」

「種子て。植物扱いですか」

「当たり前じゃない」

「せめて恭弥との子供辺りにしてください」

「もう一回言うけど死ね。てか子供って言った時点でDNA残るじゃないか。いやそれ以前に僕を勝手に性転換手術させるな」

「こ、細かいツッコミが素敵です」

「これだけ言っても足りないくらいだよ」

「…いつもは恭弥が突っ込まれるのにぐぼえっ」

「キモいマジキモい死んでとにかく死んで世界の邪魔にならないようにはやく死んで」

「…ト、トンファーがいつにも増して痛かったです」

「痛くしなきゃ効かないでしょ」

「その冷たさは愛ゆえだと思ってます」

「素晴らしいご都合主義だね」

「僕ですから」

「本当だね」

「ええ、当然です。恭弥もそんな僕に惚れたんでしょう?」

「…別に惚れてなんか無いんだからね」

「ツンデレですか、全く貴方はどこまで僕を惚れさせれば気が済むんです?」

「別にそんな気な…んんっ」

「…ご馳走様です」

「…」

「どうしました?」

「…貴方の唇、プリンの味がした」

「……」

「食べたよね」

「…食べてないです、プリンチョコです」

「食べたよね」

「プリンチョコでs…ていうか恭弥、それなんですかちょっと仕舞ってくださいよどうしてトンファーに仕込んでる武器を全部出してそのうえハリネズミが途轍もないほどに増殖してるんですか」

「それはね、貴方を咬み殺す為だよ」

「そんな『それはね、お前を食っちまう為だよ』みたいな赤ずきん的なこと言わなぎゃぁぁぁああああッ」


\(^O^)/おわれ
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