捧げ物

□白い記憶 下
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「──っ」

「どうした?」


アイツは…!?

破面になりやっと周りの環境になれた頃、新たに破面が増えると報せを受けた

今回はお披露目をするとかで、破面の上位20までが大広間に集められ、No.12の俺も例外なくその場に居た

藍染に連れてこられた新入りは、一言で言えば“白”

白以外の色といえば、サラサラそうな黒の髪と、びっしりと生えた睫毛にかたどられる瞳の翡翠(みどり)
何処かで見たきがする…

十刃たちの間だから、新入りを見つめる

ふと絡んだ視線

心臓が高鳴って、記憶がフラッシュバックした


「ウルキオラっ!!」


つい叫んだ

逢えた事が嬉しくて、気づいた時には口から出ていた


「なんだ、知り合いだったのかい?」

「あぁ!!」


近くでウルキオラを見たくて目の前の十刃たちを押し退ける

後で何を言われようが構わない

もう一度逢いたかった


「ウルキオラ」

「……」


見上げてくる瞳

破面になれた時のように嬉しかった

しかし、

「逢いたかった」

「……」

「ウルキオラ?」

「…誰だ貴様」

「──っ」

ウルキオラは俺の事を忘れてしまっているようだった

覚えてるのは俺だけなのか?

あの時会ったのは確かにウルキオラだったのに…


「…グリムジョー、戻りなさい」

「……」


あの翡翠はあの時のまま

なのに忘れちまったのか…?


会った時の事が頭の中をぐるぐる巡る

羽だって持ってんのに…


「で解散だ。グリムジョー、君は残っておきなさい」


そうしているうちにお披露目は終わった

藍染が俺を呼んでいる

今は一人になりたかった
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