捧げ物

□白い記憶 下
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*☆*――*☆*――*☆*


「…彼の記憶は欠落している」

「は?」


藍染に咎められるとばかり思っていた俺は、聞いた事に絶句した


「欠落してるって…」

「彼は白い刺の前に、全身血だらけで倒れていたんだ
怪我はしていたものの、霊圧が強かったらから連れ帰ったが…
目を覚ました彼に話を聞くと何も覚えてないと言っていた」


何でアイツがそんな目に…


「もし君が彼の事を知っているなら傍に居てあげなさい
記憶がないというのは辛い事だからね」

「…はい」


頷く事しか出来なかった

ウルキオラの記憶がない
それは衝撃的で、悲しい現実だった

*☆*――*☆*――*☆*


「帰れ」

「んでだよ」

「帰れ」

「嫌だ」


藍染から話を聞かされた後、すぐにウルキオラの宮に向かった

早く記憶を取り戻して俺の事を思い出して欲しい

その一心から行ったものの、部屋には入れてもらえない


「何故そうも俺の傍に居たがる」

「それは…」

「何故だ」


…そういえば何でウルキオラの事をこんなに思ってんだ?


「答えられないなら帰れ」

「え、ちょ、」


ふと考えこむと、目の前の扉は音をたてて閉まった


「チッ」


つい舌打ちをする


もう開くことがないだろう扉を睨む

あんなに冷たくしなくてもいいじゃねぇか

悲しくなったがめげねぇ


「明日また来るからな!!」


ちょうど明日は1日休み

何を言われようと次は部屋に入る!!

んで、少しでも思いださせる!!


そう決意して、中で強烈な頭痛に襲われているウルキオラの事もしらずに俺は宮を去った
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