捧げ物

□白い記憶 下
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*☆*――*☆*――*☆*


─ドンっ!!─


「──っ!?」

その日の夜、空気を揺さぶるような重い霊圧を感じ目を覚ました


ウルキオラか!?

ひしひしと感じる霊圧は今日触れたもの

間違えるはずねぇ


「誰の霊圧でしょうか?」

「藍染様のじゃない?」

「…やっぱりカスだな」

「なんだと!?」


しかし、隣の部屋にいるシャウロン達は気づいていないらしい

行かねぇと…

そう思った俺はシャウロン達にそれを伝えるため、隣の部屋に行った


「おいっ!!」

「何ですか?」

「「「──っ」」」


その瞬間、霊圧が大きくなった

体を締め付けられるようなそれに動けなくなる

早く行きたいのに行けないもどかしさ



「グリム、ジョー…」

「どうした!?」


霊圧に耐えられなくなり、床に膝をついていたシャウロンが何か言おうとしている

必死に話す姿に少し胸が痛くなった


「帰、刃…しなさい」

「は!?」

「帰刃すれば…力も解放されます…少し、はましになると思います」

「でも、」

「私が責任をとりますっ…だからウルキオラ様の所に…!!」



何でウルキオラだと分かった!?

動揺した


「早くしなさいっ!!貴方の…大切な、方でしょうっ!!」

「あ、あぁ」


必死の形相のシャウロンに言われて、腰に差していた斬魄刀を抜く

刀身に爪を置き、切っ先に向かって引き裂くように下ろす


「…行ってくる」

「はいっ」


豹王の姿に戻った俺は、幾分かましになった体を動かして霊圧が強い方向へと進み始めた

その間も少しずつ大きくなっていく霊圧に顔をしかめる


『貴方の大切な方でしょう』

「──っ」

大切な、奴

ふと過った言葉に足が止まりそうになった、が、あともう少しでウルキオラの元だと分かり、なんとか動かした


ウルキオラは俺の…

「あ゛ぁぁぁぁっ!!!」

「ウルキオラ!?」


何かが心の中にはまりかけた時に耳をつんざくような悲鳴が聞こえた

驚き、焦った俺は回廊の壁を壊し外に出る

するとそこには黒い羽をはやしたウルキオラが頭を抱えてうずくまっていた


「大丈夫か!?」

「あ゛…あ」

「ウルキオラッ!!」


呼んでも反応しない


「クソッ!!」

近よって触ろうとしても重い霊圧に阻まれる

どうすりゃいんだよ!!
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