捧げ物

□魅惑の浴衣
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グリムジョーは全く分からないという顔をしている

説明するのも煩わしくて、さっきの藍染様のように勝手にグリムジョーの服を脱がした


「何すんだよっ!!」

「脱がせている」

「何でんな事すんだよ!?」

「浴衣を着ろ」


受け取ろうとしない浴衣を無理矢理押し付ける


「早くしないと終わってしまうからな」


それだけ言って、いつもの靴を脱ぎ下駄に履き替えた


「…行く気がないのか」


尚も着替える気がないグリムジョーに苛立つ

いっその事、一人で行ってしまおうか…

しかし、藍染様は“グリムジョーと一緒に”と仰っていた

グリムジョーを見ながら思案にふける


「一人で行ってくる」

「え!?」

「じゃあな」


行かないのは勿体ないので一人で行く事にした

グリムジョーが行きたくないのなら別にかまわない


「待てよ」

「……」

「俺も行く」

「…早くしろ」


突然、来ると言い出したグリムジョー

どういう心境の変化か知らないが、来るのなら早く支度をして欲しい


「……?」

「貸せ」

「悪ぃ」


見ていたらモタモタし出したので俺が着付けをする

その時、妙にグリムジョーの心臓が鳴っていたが無視しといた


「行くぞ」

「あぁ」


さっさと着させて、現世へ向かう

「なぁ」

「何だ」

「あー…」

「言え」

「見せたくねぇ」

「は?」


宮の中で黒腔を開いて暗い道を歩いていると、グリムジョーが意味不明な事を言い出した

何を見せたくないんだろうか…?

「お前の浴衣姿」

「がどうした」

「だから、見せたくねぇんだって 他の奴等に」

「──っ」


言われた瞬間、顔が赤くなるのを感じた

コイツ!!


「髪も上げてっから何か…綺麗、だし…」

「馬鹿が」

「馬鹿じゃねぇし!!」


顔の熱は引くどころか増すばかり

…首まで熱い
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