短編小説
□本当の願いは?
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「たっだいまぁーーーー♪」
ヴァリアーの幹部であるベルフェゴールが、国外任務から帰って来たらしく、上機嫌で談話室のドアを開けた。
「な、なんだぁ、急に……頭でも打って来やがったかぁ?」
「…あぁ?王子が帰って来たんだから喜べよ」
スクアーロの素っ気なさに機嫌が一変したベルが2,3本のナイフを投げる。
「ちょ、ちょっと、止めてちょうだいベルちゃん!やるなら外にしなさい」
「う゛おぃ!!!外ならいいのかよぉ!?」
ナイフが当たらないように避けていたスクアーロが、ボケたわけではないルッスーリアにツッコミをする。、
そんな、賑やかな談話室では、うるさい周囲に苛立ちのオーラを漂わせている
この屋敷の主・XANXUSが3人を無言で睨みつけていた。
「…るせぇ」
「わっ、ごめんボス」
「あらん、ごめんなさいねぇ、ボス」
「……チッ」
3人はそれぞれ謝罪の言葉(スクアーロ一人を除いて)をXANXUSに言い、自体は大事にならずに済んだ。
「ん゛?…う゛ぉい、ベル、その後ろに置いてあんの…何だぁ?」
ベルが立っている後ろに大きな、見慣れないものが置いてあるのに逸早く気付いたのはスクアーロで、
不思議そうにそのものを指差して見せた。
「あーぁ、見つかっちゃったかぁ…」
そう言いながらも、ベルは談話室にそれを運んでくると、窓際に置いてる鉢につき刺した。
「ベルちゃん、何なのそれ?」
ここにいる全員、それを知らないらしく、XANXUSまでもが興味深そうにそれを眺めていた。
「『笹』って言うらしいぜ?…ジャッポーネじゃぁ、7月7日になるとこれに願い事書いた紙を飾って、お祭りするらしい」
そう、ベルが任務の土産に持って帰って来たのは『笹』。
その説を耳にしたベルが面白そうだということで、持って帰って来たらしい。
「しししっ、ここに飾ると綺麗でしょ?…ボスへのプレゼント」
「……悪くねぇ」
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